米どころ東北の技!藁で包む“卵つと”とは?
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通信販売部の生田智美です。
卵は「物価の優等生」と呼ばれるほど、値段が安定しています。
しかし、ここまで値段が下がるには時間がかかったのです。
江戸末期に書かれた百科事典『守貞謾稿《もりさだまんこう》』によれば、かけそばが一杯十六文の時代に、ゆで卵が一個二十文で売られていた、という記述があります。
仮に、かけそば一杯を400円とすれば、ゆで卵一個が500円!
今なら、卵1パックが200円前後で買えますから、約20倍もしたということになります。
一般市民にとって鶏卵が高級品だった理由は、
1、当時の鶏は、毎日卵を産まなかった為
2、鶏は食用ではなく、愛玩用に飼われていた為
などと言われています。
たまごは貴重な食べ物で、病人のお見舞い品や、お祝いの時の御馳走でした。
しかし、殻が割れやすい卵を昔の人たちはどのようにして運んでいたのでしょうか?
現代の価値よりも貴重な卵ですから非常に厳重に梱包されていたように思えますが、実は「藁」で包んで運んでいたのです。
藁と聞くと一見頼りなさげなイメージがありますが、このように編み込ませると丈夫です!
先人達は、物のない時代に貴重なたまごを安全に運ぶ入れ物として、材料の豊富な藁を使い、「卵つと」という専用のケースを作りました。
卵つとは、見た目の美しさだけではなく、生活の知恵と機能性を兼ね揃えています。
海外でも注目される日本の伝統的なパッケージです。
藁で編みこまれたの取っ手の部分を持って歩いても、卵は落ちないように計算されて作られています。
藁細工づくりは今でも山形県の新庄市を中心に伝統芸能として残っています。
藁は稲作で大量に作られる為、東北の農家の人々を中心に様々な道具が生み出されています。
▲こちらはワインを運ぶのに便利。
重いガラス瓶を藁だけで支えています。藁になっても東北の稲の逞しさが分かりますね!
▲こちらは猫やぐら。藁に囲まれて眠れたら幸せでしょうね~。
▲わら細工職人にかかればニワトリだってこの通り!!
温かみのあるとっても素敵な作品ですね!
どれも理に適ったもので、米どころ東北が生み出した知恵とも言えます。
後世に伝えていきたい大切な遺産ですね!
今回は「藁で卵を持ち運び!卵つと」についてご紹介しました。
私たちも、卵を割れることなくお届け出来るよう努めて参ります!
どうぞよろしくお願い申し上げます。
次回の更新もお楽しみに♪
通信販売部
生田智美