時を超え愛される伊藤若冲
芸術 2016.09.30
いつもブログをご覧いただいている皆様、こんにちは!
通信販売部の生田智美です。
秋といえば、芸術の秋ですよね!
今回は日本画家の「伊藤若冲」について紹介します。
「伊藤若冲」は18世紀初頭、京都の青物問屋に生まれた異色の画家です。
近年、誰にも真似のできない画風が注目され人気を呼んでいます。
今年の春には東京都美術館で「生誕300年記念 若冲展」が開催され、320分の入館待ち時間を記録するほどの大盛況でした。
実は、伊藤若冲は鶏に縁がある画家なのです!
伊藤若冲の代表作である「動植綵絵」はシリーズ全30幅のうち、8点の絵に鶏が描かれています。
羽の先まで緻密に描き込んだ鶏や、葉先の虫食いまで執拗に描きこんだ植物は、見る人を圧倒させます。今にも動き出しそうな躍動感がありますね!
若冲にはどのように鶏が見えていたのでしょう?
▲動植綵絵三十幅 南天雄鶏図 ▲動植綵絵三十幅 群鶏図
京都の中心地で青物問屋に生まれた若冲は、家業の青物問屋を継いでいたものの、小さい頃から絵が好きで好きでたまらず、40歳になってお店を弟に譲って絵の道に進みます。
1,000枚とも言われる模写の日々に若冲は「絵から学ぶだけでは絵を越えることができない」と思い至り、実物を描くことで真の姿を表現しようとしました。
生き物の内側に「神気」が潜んでいると考えていた若冲は庭で数十羽の鶏を飼い、鶏の生態を朝から晩まで徹底的に観察し続けます。そして一年が経ち見尽くしたと思った時、ついに「神気」を捉え、おのずと絵筆が動き出したのだそうです。鶏の写生は2年以上も続き、家からほとんど出ずに、縁側に放し飼いにした鶏をスケッチし続けていたという逸話もあります。
やがて鶏だけでなく、草木や岩にまで「神気」が見えあらゆる生き物を自在に描けるようになりました。
ちなみに若冲は絵を描くことが人生の喜びの全てで、芸事にも酒にも女遊びにも興味がなく、こうした世間の雑事のみならず商売にもあまり関心がなかったそうです。
とにかく、頭の中は絵筆を握りたいという思いしかありませんでした。
伊藤若冲は他にもこのような絵を残しています。
▲動植綵絵三十幅 雪中錦鶏図 ▲動植綵絵三十幅 牡丹小禽図
▲動植綵絵三十幅 群魚図
どの作品も緻密で迫力がありますね!是非とも生で見てみたい!!
今回は「時を超えて愛される伊藤若冲」の作品をご紹介しました。
皆さんも伊藤若冲の描いた世界を覗いてみてはいかがでしょうか?
次回の更新もお楽しみに♪
通信販売部
生田智美