「コケコッコー」ではなかった!ニワトリの鳴き声の変遷
新着ニュース 2016.12.28
ブログをご覧の皆さま、こんにちは!
今回は通信販売部の井上がお届けします。
2016年も残すところ3日です!
酉年である2017年も目前に迫ってまいりました!
夜明けとともに鳴くニワトリが干支である酉年は、縁起の良い年になると昔から言われています。
来年はどんな年になるのか、今からとても楽しみです!
そんなニワトリは「コケコッコー」と鳴くというのが一般的な認識ですよね。
以前ご紹介したように、世界で見ると「クックアドゥールドゥ」「コーコーケー」など国によって鳴き声の認識は異なりますが、日本では「コケコッコー」だと答える方がほとんどだと思います。
しかし、この鳴き声は明治時代から使われ始めた、比較的新しい言葉なのです!
明治時代以前はどのような鳴き声だったのでしょうか?
室町時代以前は、ニワトリは「カケロ」と鳴くというのが一般的な認識だったようです。
「鶏は かけろと鳴きぬなり 起きよ起きよ」という神楽歌が残っており、この「カケロ」という鳴き声からニワトリは「カケ」と呼ばれていました。
たしかに意識して鳴き声を聞いてみると、「カケロ」と鳴いているように聞こえるのもなんとなくわかります。
江戸時代になると「トーテンコー」と鳴くというのが一般的な認識となりました。
「トーテンコー」は意識して聞いても理解できません(笑)
それもそのはず、「トーテンコー」は擬音語ではなく意味のある言葉なのです。
「トーテンコー」は漢字で「東天紅」と書きます。
「東の天空が紅く染まる」夜明けを知らせるためにニワトリは鳴くということで、「東天紅」という漢字を当てて、それを鳴き声であるとしていました。
江戸時代初期の国語辞典にも掲載されるほど広まっていた鳴き声で、面白い響きのため江戸の人々も好んで使っていたようです。
明治時代になり、ようやく「コケコッコー」という鳴き声が浸透します。
これは、尋常小学校の生徒にカタカナを教える言葉として考案され、教科書に掲載されたことで浸透した鳴き声だったのです!
「コケコッコー」が地方に関係なく日本人の共通の認識なのは、このような背景があったのですね!
ニワトリの鳴き声を聞くと自然に「コケコッコー」と鳴いているように変換されますが、これが意図的に作られた擬音語だったとは知りませんでした!
あまり親しみやすくはありませんが、「東天紅」という漢字を当てた江戸時代の鳴き声も、意味がわかれば魅力的ですね!
今回は「コケコッコー」に至るまでの日本のニワトリの鳴き声の変遷をご紹介しました。
次回もお楽しみに!
通信販売部
井上