市場から卵が消えた!?卵の値上がりが止まらないのはなぜ?
皆様こんにちは!
通信販売部の吉田明日美です。
いつもブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。
最近、毎日のように「卵の仕入れ不足と価格の上昇」がニュースで取り上げられています。
これらの原因はニュースでも伝えられているように、大きく2つあります。
1つ目は鳥インフルエンザが多発したことで、鶏が大量に殺処分され、生産量が減ってしまったことです。
2つ目は飼料の高騰とその他の物価の高騰に伴う値上げです。
物価の優等生として知られる卵は、約60年前からほとんど価格の変動はありませんでした。
この背景には大きく4つの進歩があげられます。
①鶏種の改良・ケージ飼いによる生産性の向上
②飼料原料・配合割合などの研究による飼料効率の向上
③鶏卵場の機械化による大量生産の実現
④流通面での合理化
鶏卵業界のたゆまぬ努力で、安定した価格で消費者に提供することを実現していました。
実は卵の卸価格は相場で動いており、需要と供給によってノコギリ歯のように日々変動しています。
わかりやすい例としては、卵が嫌遠される夏場は需要よりも供給が上回ってしまうので、市場で卵が溢れてしまいます。
そのため、卵の販売価格を安くして消費を促します。
逆に、クリスマスケーキやおせち、すき焼きなど卵の需要が高まる年末は供給よりも需要が上回ってしまいます。
そのため、価格を上げて消費を抑制するのです。
日々、卵の卸価格に変動があったとしてもこれまでは1kgあたり数十円の変動のため、
卸売業者の努力で消費者への直接的な影響はあまり感じなかったではないでしょうか。
この状況が変わってきたのが、昨年です。
ロシアによるウクライナ戦争によって鶏の飼料の主となる穀物が急激に上昇したのが始まりです。
立て続けに、円安の影響などもあり鶏の飼料価格は数倍になりました。
餌が高くなってしまったから、鶏に与える餌を減らす・・・なんてことはできないので、弊社も含め、各生産農家はとても苦労しました。
それでも、企業努力で各生産農家はなんとか変わらず卵の生産をしてきたので、市場での需要と供給のバランスは保たれていました。
しかし、追い討ちをかけるように冬場に鳥インフルエンザが日本全国で多発しました。
鳥インフルエンザが発生すると、発生農場では鶏を全て殺処分しなくてはなりません。
今シーズン、全国の養鶏羽数の1割が鳥インフルエンザによって殺処分されたそうです。
また、鳥インフルエンザが発生した農場だけでなくその周辺の半径10km以内の農場は
鳥インフルエンザが発生していなくても運搬制限区域とされ、卵の出荷が制限されます。
それによって卵の流通が極端に減り、市場での需要と供給のバランスが崩れ始め、現在の状況に至っているのです。
鶏が卵を産めるようになるまでには、雛の誕生から120日かかります。
よって、殺処分された1割の鶏がもとの状況に戻るまで、少なくとも4ヶ月かかるということです。
市場に潤沢に卵が流通しない限り、卵の価格は下がらないので以前のように卵の特売が実施されるまでは、まだ時間がかかりそうです。
弊社では鳥インフルエンザの予防を万全に行なっておりますので、安心安全な卵を供給できております。
外部からのウィルスの侵入を防ぐウィンドレス鶏舎の採用と、雪深い地形がウィルスの侵入を防いでくれています。
これからも安心安全な卵を安定供給できるように努めて参ります。
それでは、次回の記事もお楽しみに!
通信販売部
吉田 明日美